組織概要

組合長挨拶

 

 佐賀県有明海漁業協同組合は、平成19年に18漁協が合併して1漁協となり、今年で16年目を迎えました。東は神埼市千代田町から南は太良町大浦まで、4市2町に15支所が点在し、佐賀市西与賀町に本所を構えています。こうした広範囲にわたる所帯の組合長を令和2年から拝命し、今般の第16年度の通常総代会において、引き続き組合長を拝命することとなりました。漁業者皆様方の生産や生活をあずかり、さらには役職員の方々の生活をあずかる長として、あらためてその重責を痛感し、身の引き締まる思いです。

 

 かえりみますと、これまで有明海を生業の場として育み、「有明海漁業協同組合」を築いて来られた先人漁業者の方々のノウハウを活かしながら漁協経営や運営に取り組んでまいりましたが、令和4年度漁期は過去に経験したことないようなノリ不作に見舞われ、大変厳しい漁期となりました。地球温暖化に伴い、毎年気象海況が大きく変化する大変厳しい養殖環境となってまいりましたが、今後とも、先輩方の思いや技術を基本に、新しい工夫も取り入れながら、安定した生産や、有明海の再生に、しっかり取り組んでいかねばならないと強く思っています。

 

 一方で、こうした漁業生産を支える漁業者の数は、全国の変遷と同様、少子高齢化の波をかぶり減少傾向にあり、産業を維持していくことの大変さにも直面しています。

 

 年々複雑さを増す海況に加え、生産人口の減少といった環境がある中で、当漁協は集団管理体制を基本としながら養殖管理の徹底や、併せて協業化や効率的な機器等の導入も図りながら生産を維持、向上していかねばならないと強く思っています。また、省力化に向けた様々な技術導入についても議論をしていく必要があり、併せて、海の環境保全のための「漁協の山」の維持管理にも積極的に取り組んでまいります。

 

 最後になりましたが、私たちは漁業協同組合ですので、相互扶助の精神で、将来にわたり有明海という資本を基に収益を上げ、漁業者と役職員がワン・フォア・オール、オール・フォア・ワン、一人はみんなのために、みんなは一人のためにとなって、海苔の安定生産はもとより、水産資源の回復に向けて、精いっぱい努力し、漁協の経営基盤の充実、強化を図り、円滑な漁協運営に努めてまいりたいと考えています。

 

 今後とも、皆様方のご意見を拝聴しながら、様々な課題にしっかり対応してまいる所存ですので、引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。

 

令和5年7月

佐賀県有明海漁業協同組合  代表理事組合長  西久保 敏